明日は明日の恋をする
そしてクリスマスイヴ ーー

今日は真彩さんとイルミネーションパークで待ち合わせをしている。仕事が終わり、私は一足先に待ち合わせ場所へ行く。まだライトアップ前のイルミネーションの前で真彩さんを待っていた。

「残業かな。」

携帯を取り出し時間を確認する。外はすっかり暗くなっていてそろそろイルミネーションがライトアップされる時間だ。

3.2.1…

公園全体がイルミネーションで輝き始めた。まるで夢の国にでもいる気分だ。

「凄ーい。」

あまりの綺麗さに私は感動していた。ポーッと見惚れていると、携帯が鳴り始める。

「マイさんからだ。もしもし…。」

「明日香ゴメン。高瀬さんが体調崩しちゃってそっちに行けそうにないの。」

「それは大変だね。私のことは気にしないでいいから、高瀬さんの側についててあげて。」

会話が終わり電話を切ると、またイルミネーションを眺めながら呟いた。

「高瀬さん大丈夫かな。」

「アイツは大丈夫だ。仮病だからな。」

「えっ?」

私の独り言に反応するなんて。しかもこの声…振り返ると、そこにはスーツの上にコートを着た進藤さんがいた。

「何で進藤さんが…仮病って?」

「さぁな。それにしてもこのイルミネーション、別世界にいるみたいだな。」

真彩さんとイルミネーションを見る予定が何故か進藤さんがいて、高瀬さんが仮病で…何かよく分からない状況だ。私の頭の中にはハテナがいくつも出てきた。

「少し歩かないか?」

「は、はい。」

光り輝く幻想的なイルミネーションの中を私と進藤さんはゆっくりと歩く。

光の中を走り回る子供達やピンクに彩られたハート型のイルミネーション前の撮影スポットには行列が出来ている。

みんな笑顔が溢れて楽しそうだ。

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