明日は明日の恋をする
「…雪、降ってきたな。」

「本当だ。結構降り出しましたね。」

2人で窓から見える雪を眺めた。

「クリスマスは願い事する日だったか?」

「願い事は七夕じゃないですか?」

「まぁ何か願い事言っておけば万能なサンタが叶えてくれるかもな。」

「あはは、面白い事言いますね。」

私は笑いながら食材買い出しの時に一緒に買ったあるものを取り出す。

「進藤さん、ソファーに座って下さい。」

「何でだ?」

「いいからいいから。」

私の言葉に疑念を持ちながらも進藤さんはソファーに座る。

「これでいいのか?」

「はい。…メリークリスマス!ちゃんと万能なサンタにお願いしておきました。早く良くなりますようにって。」

そう言ってさっき買ってきた冷えピタを進藤さんのおでこにペタッと貼った。

「万能なサンタもつまらない事お願いされて大変だな。」

フッと笑って進藤さんはソファーから立ち上がる。そして『ありがとな』と言って私の頭をポンっとした。

その後、進藤さんは自分の部屋に戻り薬が効いてきたのか、私が様子を見に部屋に行った時には既に寝ていた。

顔色少し良くなってきたかな。寝ている進藤さんを見て安心した私は、ベッドの横の床にペタンと座りしばらく進藤さんを眺めていた。

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