明日は明日の恋をする
「それより時間大丈夫か?」

「時間って…あっ。」

すっかり忘れてた。今日は平日、仕事だ。一旦家に帰らなきゃ。あーでも時間間に合うかな。私はパニックになった。

「車で送ってやるから、取り敢えずウチでシャワー浴びてきたらどうだ?」

「でも…。」

そこまでしてもらっては申し訳ないと思いつつ、仕事に遅刻しそうな時間だったのでお言葉に甘えることにした。

シャワーを浴びてリビングに戻ると、スーツ姿の進藤さんが待っていた。

「行くぞ。」

外に出ると、少しだけ雪が積もっていた。白い息を吐きながら小さな雪だるまを作ろうとしたが、そんな時間あるのかという進藤さんの無言の圧力を感じ断念する。

進藤さんの車に乗ってまずは私のアパートに向かう。部屋に入っても真彩さんは居なかった。急いで着替えて準備を済ませて、進藤さんの車にまた戻る。

それから私の勤務先の近くまで運転すると車を止めた。

「すみません。ありがとうございました。」

「こっちこそせっかくのクリスマスイヴに看病なんかさせて悪かった。…今日お詫びをさせてくれないか?夜、車で迎えに来るから食事でも行こう。」

「いえ、お詫びだなんてそんな…。」

「早く会社行かないと遅刻するぞ。」

進藤さんに言われ慌てて車を降り、会社まで走る。おかげで断り損ねた私は今日の夜進藤さんと食事することになってしまった。
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