明日は明日の恋をする
「だってお前、彼氏にやらせなかったんだろ?都合のいい女にすらなれなかったんじゃないのか?」

「やらせなかったって…私だって触れ合いたかったけど、どうしても出来なかった。無理だったの…。」

「不感症か?」

「ち、違います…っていうか、そんな事普通聞きます?」

そう言って話を中断させた。笑みを浮かべている進藤さんを横目に、私はプィっと顔を反対の方に向け、車の窓から外を眺めた。

やっぱり男の人って、やらせない女からは離れていっちゃうのかな。私だって興味がないわけではない。ただ出来ない理由があった。

「着いたぞ。」

ボーっと考え事をしながら外を眺めていると、横から進藤さんが話しかけてきた。気がつくと、大型家具店に着いていた。

車から降りて進藤さんと2人で店の中に入る。ここで何を買うのだろう?

「お前の部屋に必要な物を選べ。」

「えっ?でも部屋には既に色々ありますし、必要な物と言われても…。」

「あれはあの部屋を使っていた奴が使用していた物だから、ベッドシーツや布団とかは新しく買い揃えてやるよ。」

やっぱりあの部屋を使っていた人がいるんだ。元カノかな?でもせっかくなのでお言葉に甘えて色々買ってもらう事にした。

買い物が終わり店を出ると、外は茜色の空に変わっていた。そしてもうすぐ夜になろうとしている。

「後は…服だな。」

進藤さんはそう言って、今度は数々のアパレルショップが入っているショッピングモールへと向かった。

そこでは外着、部屋着、下着など購入した。進藤さんは必要経費だとは言っていたけど、こんなに買ってもらって良かったのかな。
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