明日は明日の恋をする
昼食の後、進藤さんが椅子から立ち上がった。

「ナオト、続きするぞ。」

「はいはい。」

高瀬さんも重い腰を上げて立ち上がった。私も食べ終わった食器をキッチンへ運び、食洗機にかける。

1時間くらい経った頃、高瀬さんが疲れきった顔でリビングへやってきた。

「水沢さんゴメン。コーヒー2つお願いしていい?」

「はい、分かりました。」

私は暇つぶしに眺めていた携帯をテーブルに置き、コーヒーを入れる。

「部屋までお持ちしますよ。」

「いや、俺が持っていくよ。少しの間、ここでサボらせて。」

「何だか疲れきってますね。」

「せっかくの休日なのに仕事でトラブルがあってさ、今2人でその処理をしてるんだ。疲れるよ。」

「休日にお仕事ですか。大変ですね。」

「でも、おかげで水沢さんの手料理食べれたから良しとするよ。コーヒーありがとう。」

入れたコーヒーをトレーに乗せ、高瀬さんはまた進藤さんの部屋へと戻った。

2人とも大変だなと思いつつも私には手伝う事も出来ないので、本日休暇の私は自分の部屋に戻りゆっくりと過ごす。

そして気がつくと外は茜色に染まり、夕刻の時を迎えていた。

ーー コンコン

「はぁい。」

部屋をノックする音が聞こえドアを開ける。そこには進藤さんと高瀬さんが立っていた。

「水沢さん、夜は外食でいい?」

「え、でも…。」

「仕事も片付いたし、ガッツリと肉でも食べようよ。」

「…という事だ。さっさと準備をして行くぞ。」

「は、はい。」

私は着替えるために一旦部屋のドアを閉める。

「私なんかが一緒に行っていいのかなぁ。」

着ていく服を選びながら思わず呟いた。
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