明日は明日の恋をする
「お待たせしました。」

リビングで待っていた2人に声をかける。

「じゃ行こうか。」

先に進藤さんと高瀬さんが靴を履き玄関の外に出ようとした。

「あっしまった。携帯忘れた。」

高瀬さんが声を上げる。

「私、取ってきます。」

まだ靴を履いてなかった私は部屋に戻り、高瀬さんの携帯を取りに行く。ソファーの前のテーブルの上に携帯が置いてあった。

「これですよね?」

玄関に戻り、携帯を高瀬さんに見せる。

「ありがとう。」

「あれ、進藤さんは?」

玄関には高瀬さん1人だった。取り敢えず携帯を高瀬さんに渡す。

え…!?

高瀬さんは携帯ではなく腕をグィッと引き、私はバランスを崩し高瀬さんの胸に引き寄せられた。

「た、高瀬さ…ん…?」

高瀬さんの顔を見上げた瞬間、私と高瀬さんの唇が重なった。そして何が起きたか頭が追いつかず呆然とする。

「昨日のキスはお酒のせいじゃなかったでしょ?」

高瀬さんの唇が私の唇から離れると、真っ直ぐな瞳で私を見つめ、そう囁いた。

「ケイスケは先に車の所に行ってるよ。俺らも早く行こうか。」

私は腰が抜けそうになりながらも急いで靴を履き、高瀬さんを警戒しながら進藤さんの待つ駐車場へ向かった。
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