明日は明日の恋をする
「なんか久しぶりだね。」

運転しながら高瀬さんがチラッとこっちを見る。

「そうですね。今日はどちらに？」

「新しくできた美術館だよ。興味ない？」

「美術館…行った事ないです。絵を見るのが趣味なんですか？」

「趣味じゃないけど、会社の取引先とかには絵が好きだったりする人もいるからね。話のネタになればと。色んな情報と知識は武器になるんだよ。」

「仕事熱心なんですね。」

「あはは、ケイスケほど仕事熱心じゃないけどね。」

しばらく車を走らせると、目的地の美術館に到着した。オープンしたばかりとあって、たくさんの人がいる。私達も車を降りて美術館の方へ歩き出した。

「今日は勉強も兼ねてケイスケと美術館へ行こうと思ったんだ。アイツ絵画に詳しいからさ。だから俺は絵に関して詳しい話も何も出来ないからただ鑑賞するだけになっちゃうけど、ごめんね。」

「全然大丈夫ですよ。」

それから美術館の中に入り、一通りの絵画を鑑賞した。どれも素敵な絵画ばかりで私は思わず見入ってしまった。

じっくり堪能した私と高瀬さんは美術館の外に出る。

その時だった。

「高瀬に水沢さん？」

聞き覚えのある声に私と高瀬さんは一斉に後ろに振り返る。そこにいたのはやっぱり進藤さん…と知らない女性だった。
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