明日は明日の恋をする
リムジンに乗ること数時間。車の中では高瀬さんがとにかく気を使いながら話題を出し話をしていた。何となく行きたくないと言っていたのが分かる。仕事モードの高瀬さん、気を使ってとても大変そうだ。

そしてついに有栖川リゾートホテルへ到着した。リムジンを降りると心地良い風に乗って潮の匂いがほんのりする。海に来たんだという感じで私はワクワク感が増した。

ホテルの入り口付近には沢山のスーツマン達がいる。美玲さんが到着したという事で、ズラーッと並んで深々とお辞儀をしている。流石はVIP扱い…。私とは次元が違う。

ホテルの中へ入ると、部屋に案内された。1人一部屋、恋人のふりをしている高瀬さんと同じ部屋だったらどうしようと思っていたので一人部屋に安心した。

「明日香ちゃん、準備が出来たら一階のロビーに集合ね。」

「はい…じゃなくて、うん分かった。」

危ない。早速ボロが出そうになった。私は部屋の中へ入り、水着に着替えて上から服を着る。準備を終え、待ち合わせのロビーに行くと高瀬さんが待っていた。

「明日香ちゃん、こっちこっち。」

私は高瀬さんの隣に座り、話をしながら進藤さんと美玲さんが来るのを待った。

「待たせたな。」

仕事モードの笑顔で美玲さんをエスコートしながら進藤さんが来た。美玲さんは清楚な感じの白のワンピースに日焼け防止の大きめの帽子、如何にもお嬢様っていう服装だ。

「では行きましょうか。」

美玲さんを先頭に、私達は海の方へ歩く。
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