明日は明日の恋をする
そしてホテルに到着した。

「俺はケイスケに荷物届けるから、明日香ちゃんは美玲さんの荷物をお願いしていい?」

「うん、分かった。」

ーー コンコン

美玲さんの部屋に着き、ノックをする。

「水沢です。荷物をお持ちしました。」

すると部屋のドアが開いた。ところが部屋の中から出てきたのは美玲さんではなく、進藤さんだった。

…ずっと美玲さんの部屋に居たんだ。私の中のモヤモヤが再発した。

「水沢さんありがとう。…高瀬、こっち。」

仕事モードで私に挨拶すると、廊下に顔を出して進藤さんの部屋の前にいる高瀬さんを呼ぶ。

「社長、こちらでしたか。はい、荷物です。」

「悪いな、お疲れ様。」

進藤さんが荷物を受け取ると、部屋の中から美玲さんが声をかけてきた。

「お2人もよろしければご一緒に紅茶でもいかがですか?」

「いえいえ、2人でゆっくりして下さい。私達も今から部屋でゆっくりしますので…。」

「そうですか。それではまた夜のお食事で。」

「はい、では失礼します。」

私は誘いを断ると笑顔で進藤さんと美玲さんに一礼して、高瀬さんと自分の部屋に戻ろうとする。

「高瀬、ちょっといいか?」

歩き出した私達の後ろから、進藤さんが声をかける。高瀬さんは私に『ちょっとゴメン』と言って進藤さんの元へ行った。

2人は何を話しているのだろう?何だかチラチラ私を見ている気がするが、小声で話をしているので会話は全然聞こえなかった。
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