明日は明日の恋をする
その日の夜 ーー

今日も進藤さんは帰りが遅くなるらしい。

私は部屋のベッドに転がり、携帯で賃貸物件を検索した。

ピリリリリ…

ピリリリリ…

携帯を触っていると突然携帯が鳴り出し、私はビクッとする。着信は…高瀬さんだ。こんな時間に何だろう。

「もしもし。」

「もしもし、ナオ君で~す。」

「もしかして…酔ってます?」

「あはは、今日高校時代の仲間と飲んでたんだけど、ちょっと飲みすぎちゃってさぁ。ケイスケも一緒だったんだけど、アイツは酒弱いくせに珍しくガンガン飲んでたから…ていうか飲ませちゃったから、めっちゃ酔っ払ってると思う。悪いけど、介抱してあげてね。あはは、じゃあおやすみ。」

「あははって…分かりました。おやすみなさい。」

高瀬さん、テンション高っ。

今日は高瀬さん達と飲み会に行ってたのか。そろそろ帰ってくるならお水を用意しておこう。

ーー ガチャ

玄関から音が聞こえる。進藤さんが帰ってきたみたい。

「おかえりなさい。」

「起きてたのか…悪い、少し肩を貸してくれないか。」

「大丈夫ですか?」

私は進藤さんを支えながらリビングまで行く。そして進藤さんはそのままソファーに転がった。相当飲んで…いや飲まされてきたな、これは。

「お水…置いておきますね。」

水をソファーの前にあるテーブルにそっと置く。そして、自分の部屋に戻ろうとした時、進藤さんがソファーに転がったまま話しかけてきた。

「……仕事、辞めるのか?」

「えっ?」

何でその事を…あっ、さては高瀬さんが求人誌を見てた事を進藤さんに話したな。私の頭の中には小悪魔的な笑顔をしてる高瀬さんの姿が浮かんできた。
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