明日は明日の恋をする
会社社長室(高瀬目線)ーー

「失礼します。」

いつものように社長室に行き、本日のスケジュール確認を行う。

「分かった。」

スケジュール確認が終わると、社長(ケイスケ)はPCを見ながら仕事をする。いつもと同じ光景だ。

ただ何となく感じる違和感。ケイスケと付き合いが長いせいか、ちょっとした変化に気づいてしまうのだ。明日香ちゃんと何かあったのか?少し探りを入れてみよう。

「社長…お疲れですか?」

仕事をしているケイスケに声をかける。するとケイスケは仕事の手を止め、俺の方を見た。

「いや、いつも通りだが?」

うわぁ、満面の仕事用笑顔…これは何かあるな。

「隠すな隠すな。どうせ明日香ちゃん絡みだろ?話くらいは聞いてやるよ。」

俺は仕事モードをやめて来客用ソファーに座る。ケイスケも社長椅子から立ち上がり、ソファーに座った。

「何もないと言ってるだろう?明日香とも今までとそんなに変わらない。」

変わらない…ねぇ。ってか明日香って呼び捨てで呼んでるのか。それにしても違和感感じたのは気のせいだったか?

「でも何か疲れてないか…あっ、夜頑張り過ぎてるんだろ?羨ましい奴。」

「…何もないって言っただろう。」

「…?」

何か変だな。何もない…何もない?

まさか…

「もしかして…明日香ちゃんとまだやってないのか!?」

ケイスケは無言のまま、俯き加減で頭を抱えている。図星か。

「お前、バカじゃねぇの?好きな女と1つ屋根の下にいながら手ぇ出さないって…信じられない。」

「いや、お前その言い方…。」

「うわぁビックリしたわ俺。何で?何で手ぇださねぇの?。」

「うるせぇな。…ブレーキがかかるんだよ。アイツ…まだ経験ないんだ。つい、俺で良いのかって…っていうか何でお前にこんな話をしなきゃいけないんだ。」

こんな時まで真面目根性出すなんて、なんて損な性格なんだ。
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