My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 2
(知り合い?)
そう思うと同時、ラグにぎっと睨まれる。
おそらく私が名前を呼んでしまったことに怒っているのだろう。
でもまさか知り合いがいるなんて思わなくて、そう言おうとして、でもすぐに此処がストレッタの近くだということを思い出す。
やはり、まずかっただろうか……。
ラグがその呪いを酷く嫌悪していることを考えたら、知り合いにそれを内緒にしていたとしてもおかしくなくて。
――急に罪悪感でいっぱいになる。
「なんだ、この子を知っているのか?」
セリーンがそれでもラグを放さずに、アルディートさんに訊ねた。
ラグの知り合いとわかって逆に興味が沸いたのか、その声から怒りの感情が消えていた。