My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 2
「で、お前は?」
「あ、私はもう平気! 完全に治ったみたい!」
私は笑顔で言う。
でもラグは疑っているのかまだ眉を寄せたままだ。
「色々迷惑掛けちゃってごめんね。ホントにもう平気だから!」
「……本当だな」
「うん!」
信じてくれただろうか?
でも何となく彼が安堵したのがわかって私は笑顔のまま続ける。
「ありがとう。心配してくれて」
「心配っつーか、だからオレはお前に死なれると困るって」
「うん、わかってる。でも言わせて?」
そんな私を彼は少し驚いた顔で見下ろした。
――ちょっと気恥ずかしいけれど、ずっと言いたかったことだから。
「いつも助けてくれてありがとう! 私、ラグがいてくれて本当に良かった。面倒だと思うけど、これからもよろしくお願いします!」
昼間セリーンにしたときと同じように頭を下げて言う。
本当はノーヴァで言うはずだった言葉。危うく言えなくなるところだったけれど、だから、こうして言うことが出来て、とてもすっきりとした気分だった。だが、
「あー……くそっ!」
そんなイラついた声に顔を上げると、ラグは顔を伏せ考え込むようにして額を押さえていた。