終着駅は愛する彼の腕の中
そんな信秀と江里菜が急死して。
それを知ったのは拘置所のなかだった。
まだ犯人として取り調べを受けていたノエリ。
2人の葬儀にもでれないままで、家もいつの間にか売りに出されていた。
「ノエリちゃん。実は今日、羽弥斗も一緒に来ているよ」
「え? 」
「すぐに会ってくれとは言わない。僕達は明日の朝帰るから、それまでに決めてくれていいよ」
瑠貴亜は一枚のメモをノエリに渡した。
「これ、僕の携帯番号。羽弥斗の番号を、まだ知っているならそっちにかけてもいいよ。連絡待っているね」
ノエリはメモをも受けとり、複雑な顔をしていた。
カフェを出ると、瑠貴亜は羽弥斗とひまわりと合流して観光を楽しんだ。
その夜は駅前のビジネスホテルに宿泊する事にした。
「うーん。ツインとダブルしか空いてないって。どうしようか」
「いいんじゃない? 私、お父さんと一緒の部屋でいいから、お兄は一人でダブルの部屋で寝たら? 」
「え? そんな広いベッドで? 」
「いいじゃん、たまには」
そんな勢いで、ダブルの部屋とツインの部屋にそれぞれ泊まる事になった。
夜になると冷え込んできた。
さすが北国は都会とは違う。
セーターを着ていてもちょっと寒いかな? と思える。
部屋には暖房が入っていてちょうどいいくらいだ。
今日はけっこう歩いて、羽弥斗はちょっと疲れていた。
お風呂の前にゴロンと広いベッドに寝転んでいた。
すると・・・
携帯が鳴った。