終着駅は愛する彼の腕の中

「ノエリ・・・僕と、結婚して下さい・・・」


 え? プロポーズ? 

 ノエリは少し驚いた目をした。

 さっき、付き合ってて言ったばかりだけど・・・。


 お互い産まれたままの姿で・・・繋がり合ったままで・・・

 
 でもそのせいか、羽弥斗の気持ちがとても伝わってくるをのノエリは感じた。


「・・・はい・・・」


 ノエリは素直に答えた。

「有難う・・・一緒に、幸せになろう」

 そっと微笑んだ羽弥斗。


「あっ・・・」


 グッと奥まで責められて、ノエリはギュッと羽弥斗の背中に爪を立てた。


 体いっぱいに羽弥斗を感じる。・・・


 素直に幸せになろう。


 ノエリはそう思った。





 しばらくして。

 言葉を交わすことなく抱き合ったまま、羽弥斗とノエリはくっついていた。

 ノエリはまた、悲しくもないのに何故か涙が出てきて羽弥斗の胸の中で泣いていた。

 そんなノエリを抱きしめていると、羽弥斗も目が潤んできた。


「ノエリ、感動しているんだね」

「・・・判らないけど・・・」

「僕にも伝わってくるよ、ノエリのハートが喜んでいる。だから、涙が出ちゃったんだね」

「たぶん・・・そうかも・・・」

「今日は、僕にもその気持ちが伝わってきて嬉しい」

 羽弥斗はそっと、ノエリの頭を撫でた。

「もう大丈夫だから。後は、僕に任せて」

「・・・はい・・・」

 素直に答えるノエリはとても可愛くて。

 今日もまた、羽弥斗はノエリを好きになった。





 その晩は2人で抱き合ってぐっすり眠った。

 
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