終着駅は愛する彼の腕の中
2人でテーブルに座って食べていると。
瑠貴亜とひまわりがやってきた。
「おはよう、2人共。昨日は、ぐっすり眠れたかい? 」
瑠貴亜がそう言うと、ノエリはちょとだけ俯いた。
「おや? 羽弥斗、ちゃんとノエリちゃんを寝かせてあげなかったのか? 」
羽弥斗の隣に座り、耳元でこっそりと瑠貴亜が言った。
「ちょ、ちょっと父さん。何を言い出すんだよ」
「いや。お前が嬉しすぎて、ノエリちゃんを寝かせてあげなかったのかと思ってさっ」
「なんだよ、それ! 」
「まっ、若いっていいね~ 」
瑠貴亜はとても嬉しそうな顔をして、朝食を食べ始めた。
「あ、お兄早かったね」
ひまわりがやってきた。
ノエリはちょっとだけ緊張した表情を浮かべた。
「あれ? お姉ちゃん。お兄と一緒にいてくれたんだ」
ひまわりはノエリの隣に座った。
「初めまして、私、妹のひまわりです。よろしくお願いします」
「ど・・・どうも・・・」
緊張してシレっと答えたノエリを見て、ひまわりはクスっと笑った。
「お姉ちゃん、すごく分かりやす人なんだね。大丈夫だよ、私、とって食べたりしなから」
そう言って、そっとノエリの手を握ったひまわり。
ノエリは少しだけ、ひまわりを見た。
「お姉ちゃん。もう大丈夫だよ」
そう言って、ギュッと手を握ってくれるひまわり。
「一緒に帰ろうね、お母さんもすごく喜ぶよ」
ひまわりの手は、とても暖かい。
羽弥斗とはまた違う温もりを感じる。
その温もりに、ノエリはほっとさせられた。