終着駅は愛する彼の腕の中

 2人でテーブルに座って食べていると。



 瑠貴亜とひまわりがやってきた。


「おはよう、2人共。昨日は、ぐっすり眠れたかい? 」


 瑠貴亜がそう言うと、ノエリはちょとだけ俯いた。


「おや? 羽弥斗、ちゃんとノエリちゃんを寝かせてあげなかったのか? 」


 羽弥斗の隣に座り、耳元でこっそりと瑠貴亜が言った。


「ちょ、ちょっと父さん。何を言い出すんだよ」

「いや。お前が嬉しすぎて、ノエリちゃんを寝かせてあげなかったのかと思ってさっ」

「なんだよ、それ! 」

「まっ、若いっていいね~ 」


 瑠貴亜はとても嬉しそうな顔をして、朝食を食べ始めた。



「あ、お兄早かったね」


 ひまわりがやってきた。


 ノエリはちょっとだけ緊張した表情を浮かべた。



「あれ? お姉ちゃん。お兄と一緒にいてくれたんだ」


 ひまわりはノエリの隣に座った。


「初めまして、私、妹のひまわりです。よろしくお願いします」

「ど・・・どうも・・・」


 緊張してシレっと答えたノエリを見て、ひまわりはクスっと笑った。


「お姉ちゃん、すごく分かりやす人なんだね。大丈夫だよ、私、とって食べたりしなから」


 そう言って、そっとノエリの手を握ったひまわり。


 ノエリは少しだけ、ひまわりを見た。


「お姉ちゃん。もう大丈夫だよ」


 そう言って、ギュッと手を握ってくれるひまわり。


「一緒に帰ろうね、お母さんもすごく喜ぶよ」


 ひまわりの手は、とても暖かい。

 羽弥斗とはまた違う温もりを感じる。

 その温もりに、ノエリはほっとさせられた。


< 41 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop