終着駅は愛する彼の腕の中
それから数日後。
週刊誌に陽子の記事が出ていた。
笹田陽子、年齢は35歳になり、大手IT企業の社長の後妻として再婚している。
一人いた子供はつい最近死亡している。
笹田健司(ささだ・けんじ)は入院中。
陽子と結婚するまでは、健康第一でめったに風邪もひかない人だった。
入院になったのは食欲が減り栄養状態が悪くなった事から、疲労によるものだろうと診断されている。
入院してからは容態は安定しているが、ここの所また調子が悪くなっていた。
週刊誌にかかれているのは、陽子の2人の元夫の不審死だった。
2人の夫は陽子と結婚する前は、とても元気で大病を患う事がなかった。
しかし陽子と結婚してから半年足らずで病にかかり、死亡している。
その度に陽子は多額の遺産を受け取っているが、夫のお墓を見る事もなく別の男と再婚している。
8年前は元夫の子供が乳児の時に死亡している。
これは遺産目的で、陽子が何かを企み夫と子供を死に追いやった可能性が高いと書かれている。
陽子の経歴が薬学部で元薬剤師であり、乳児が殺されたのは「毒」によって。
そして最後に。
8年前の乳児殺害として逮捕された犯人は「無罪釈放されている」と書かれている。
これは警察からの証言もあり事実であると。
警察は8年もの間、無罪報道をしなかったのは、目撃証言をした者がまた幼い子供であったことから未成年保護も考えての上であり、また、無罪釈放された城里ノエリさんから「小さな子供が狙われる危険性があるので、報道は行わないで下さい」と強い希望があった事から報道はおこなわないまま8年も過ぎてしまった事を深くお詫び申し上げます・・・と書かれている。
目撃証言は動画撮影されており、真犯人は断定出来ていて指名手配していると・・・。
陽子の整形前の顔と整形後の顔が、目隠しをして掲載されていた。