終着駅は愛する彼の腕の中
ノエリはあれからジュエリーデザイナーとして小さなネットショップを運営している。
月に20万程度の売り上げがあるが、人気が出てきて固定のお客様も増えてきている。
今日もせっせとデザインをスケッチブックに描いているノエリ。
仕事専用の部屋が1階にあり、自由に好きな時に仕事をしている。
「ただいま」
羽弥斗が仕事から帰ってきた。
「おかえりなさい」
仕事部屋からノエリが出て来た。
「ただいまノエリ」
ギュッと羽弥斗がノエリを抱きしめる。
2人はいつもこうしてハグをして、キスをしてとても仲良し。
夕ご飯の準備をして料理を並べるノエリ。
今日は洋食ハンバーグと野菜サラダと美味しそうなフルーツが並んでいる。
楽しく2人で食事をして、今日の出来事を話して。
穏やかな日々が流れている。
夕飯が終わり、羽弥斗はリビングでお茶を飲みながらテレビを見てくつろいでいた。
かたずけを終えてノエリがやって来た。
羽弥斗の隣に座るノエリ。
「羽弥斗さん・・・」
「ん? なに? 」
ちょっと恥ずかしそうに、ノエリが羽弥斗を見つめた。
「あの・・・ね・・・」
「なに? どうかしたのか? 」
なんとなく言い出しずらそうなノエリ。
「どうしたの? 話しずらい事なのか? 」
「ううん、そうじゃないけど・・・。実は・・・できちゃったの・・・」
「え? 」
「・・・赤ちゃん・・・」
赤ちゃんと言ったノエリが、頬を赤くして俯いた。
「本当? 」
「うん。今日、病院行ってきたの。8週目だって」
「ノエリ・・・」
ギュッと、ノエリを抱きしめる羽弥斗。
「やった! 良かったね」
「うん・・・ちゃんと来てくれて嬉しい」
羽弥斗はノエリのお腹に触れた。
「良かった・・・本当に・・・」