ギザギザハートのマイフェアレディ
○茉弥の部屋@篤志宅

ヘアメイクの人たちが茉弥をきれいにしている。
ドレスも着て、鏡を見る。

メイク「いかがですか。」

コンタクトになり、メイクをして、
ドレスを着た自分を見る茉弥。
見違えるようになっている。

茉弥「わあ…!」
メイク「お気に召さないところがありましたら
   お直しいたしますが。」
茉弥「充分です…!
  ありがとうございます!」

茉弥(これが…あたしな!?
  馬子にも衣装じゃっどな…!!)

そこへ、ドアをノックする音。

篤志「茉弥さん、いかがですか?」
茉弥「本田さん、今終わりました。
  入ってくいやんせ。」

篤志、部屋に入ってくる。
タキシードを着て、とても凛々しい。
茉弥、思わず見とれる。

篤志「わあ…茉弥さん、とてもきれいです!
  僕の思った通りだ。」

茉弥の手を取る篤志。
照れてうつむく茉弥。

篤志「下を向かなくていいんですよ。
  今日は僕がエスコートしますから、
  胸を張っていてくださいね。」


○パーティー会場

広いホールに、たくさんのドレスアップした人々が
それぞれにシャンパンを片手に会話を楽しんでいる。

茉弥(な…仲間内のパーティーっていう規模じゃなか!
  こりゃこんなドレスも着たりするわけじゃ!)

面食らう茉弥。

篤志「さ、茉弥さん。」

左腕をくの字に差し出し、腕を組むように促す篤志。
肘に手を通し、腕を組む二人。

周りの人々がざわめくのを聞く茉弥。

「本田さんが女性を連れているなんて…。」
「隣の女性は誰かしら?」

茉弥(もう、帰りたいごちゃ…!)

すると、一人の女性がスッと篤志と茉弥の前に進み出てくる。
優しそうで、ものすごく美人な女性だ。

女性「お久しぶりです、篤志さん。
  お元気でしたか?」
篤志「久しぶりです、理恵子さん。
  いつも通り、元気ですよ。
  理恵子さんもお元気そうで何よりです。」
理恵子「ありがとうございます。
   そちらの可愛らしい女性は?」
篤志「今お付き合いいただいている、
  桑水流茉弥さんです。」

ざわめく会場。
理恵子も、少し驚いている。
そして、茉弥も驚いている。
しかし、平静を装って挨拶をしなければと思いなおし、理恵子に挨拶をする。

茉弥「はじめまして、桑水流茉弥と申します。
  よろしくお願いします。」

一瞬え、という顔をする理恵子。

茉弥(しもた、わっぜなまってしまったがよ…!)

恥ずかしさで真っ赤になってしまい、俯く茉弥。
その後理恵子と篤志が何か話していたが、よく聞こえない。

茉弥(やっぱり、こんなきれいなドレスを着てても、
  あたしはただの田舎もんじゃ。
  本田さんに恥をかかせてしもた…。)

茉弥の様子に気付いた篤志。
では失礼、と言いながら、会場の端に茉弥を連れていき、
飲み物を持ってくる。

篤志「すみません、いきなりは緊張してしまいましたよね。
  配慮が足りず申し訳ありませんでした。」
茉弥「うんにゃ…いいえ、」
  「あたしがこんなだから、
  本田さんに恥をかかせて…。」
篤志「恥だなんて、そんな。」
茉弥「あたし、気張る…頑張りますから…、
  頑張って、いい女になりますから…!」

涙がこぼれる茉弥。
にっこり笑って、涙をぬぐう篤志。

篤志「…わかりました、
  一緒に頑張りましょう。
  僕がついていますよ。」
< 5 / 5 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:1

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

囚われの胡蝶は皇帝の愛にはばたく

総文字数/1,779

ファンタジー2ページ

表紙を見る
表紙を見る
華道家元の甘すぎ溺愛レッスン

総文字数/13,671

恋愛(ラブコメ)2ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop