寡黙なダーリンの秘めた愛情
「蓮くん・・・」

「美咲・・・良かった、無事で。義一に何もされなかったか?」

蓮はベッドサイドに屈み込むと、美咲の頭を抱き寄せて囁いた。

「大丈夫、離婚届と婚姻届を書けって言われたけど、脅された訳じゃなくて・・・」

「ナースコールは?お腹が痛かったんじゃないのか?」

「ううん。義一さんが怖くて、誰か来て欲しいって思ったの。私動けないから・・・。それに、朝食もまだだったし早く持ってきてーっていうのもありかなと・・・」

苦笑する美咲の頭を優しく撫でながら

「賢いな。俺の美咲は。そして・・・可愛い!」

蓮は美咲の唇にキスをした。

「れ、蓮くん、ここ、病院!」

「そんなのどうだっていい。美咲が入院したと聞いて、どれだけ心配したと思う?もう2度と会えなくなったらどうしようと考えただけでも俺が死にそうになった」

「お、大袈裟な・・・」

そう呟いた美咲だったが、蓮の顔を見て自分の考えの甘さを実感した。

蓮が泣いていたからである。

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