寡黙なダーリンの秘めた愛情
「子宮口が8センチ開いていますね。少量ですが破水もしていますし、このまま出産になると思います。予定よりは少し早いですが、すでに9ヶ月です。よく頑張りましたね」
山中医師の言葉に、涙を浮かべて美咲は頷く。
初めて診察してもらった時と同じ砕石位をとらされ、分娩台に乗っている。
長かったような、あっという間だったような・・・。
9ヶ月間の、大変で、でも楽しかった日々を思い出しながら、美咲はいきみを逃がしていた。
「じゃあ、もう少し呼吸法を実践しながらいきみを逃していてね。ご主人も一緒に励ましながら実践してください」
蓮は当然のごとく、立ち会い分娩を希望した。
本人いわく
「美咲の痛みや苦しみ、そして、喜びを分かち合う絶好の機会は逃せない」
ということだそうだ。
男性によっては、出産中の妻の苦しみを見ていられないとか、お産の衝撃に耐えきれず、妻を女性として見られなくなったという人もおり、初めから立ち会い分娩を回避する人も少なくない。
「痛いか?美咲?ヒッヒッフーだぞ?」
「痛みがないときは休め。大丈夫。俺がそばにいるからな」
陣痛に合わせて、美咲を安心させるように声をかけてくれる蓮。
お陰で美咲は必要以上に声をあげたり力んだりすることなく、分娩が進んだ。
それでも初産だ。
なかなか子宮口は全開大にならず、来院してからかなりの時間が経過しようとしていた。
「分娩が長引くと、破水しているので感染のリスクが増します。陣痛誘発剤を使いますね」
山中医師の言葉で、陣痛誘発剤が開始された。
すると3分おきだった陣痛が1分おきになって段々短くなっていく。
そうしているうちに子宮口は全開大になった。
「れ、蓮くん・・・」
「城之内さん、まだですよ。まだいきまないで」
「美咲、ヒッヒッフーだ。ヒッヒッフー」
美咲は、体力の限界を感じていたが、無事にべべが生まれるまでは気を抜けない。
美咲の肩を擦りながら、不安そうな蓮がモニターや助産師、山中医師を見る。
べべの推定体重は2200g。
37週に満たない、低出生体重児ということで、NICUの新生児科の医師もずっと待機してくれている。
「さあ、今よ。いきんで!」
ようやくいきんでもよいと言われ、ホッとした美咲は力の限り、数回息んだ。
蓮の手にも力がこもる。
オギャー、オギャー、とか細く聞こえてきた泣き声。
「おめでとうございます。2350g の元気な男の子ですよ」
加藤助産師の言葉に、美咲と蓮の目から涙がこぼれた。
山中医師の言葉に、涙を浮かべて美咲は頷く。
初めて診察してもらった時と同じ砕石位をとらされ、分娩台に乗っている。
長かったような、あっという間だったような・・・。
9ヶ月間の、大変で、でも楽しかった日々を思い出しながら、美咲はいきみを逃がしていた。
「じゃあ、もう少し呼吸法を実践しながらいきみを逃していてね。ご主人も一緒に励ましながら実践してください」
蓮は当然のごとく、立ち会い分娩を希望した。
本人いわく
「美咲の痛みや苦しみ、そして、喜びを分かち合う絶好の機会は逃せない」
ということだそうだ。
男性によっては、出産中の妻の苦しみを見ていられないとか、お産の衝撃に耐えきれず、妻を女性として見られなくなったという人もおり、初めから立ち会い分娩を回避する人も少なくない。
「痛いか?美咲?ヒッヒッフーだぞ?」
「痛みがないときは休め。大丈夫。俺がそばにいるからな」
陣痛に合わせて、美咲を安心させるように声をかけてくれる蓮。
お陰で美咲は必要以上に声をあげたり力んだりすることなく、分娩が進んだ。
それでも初産だ。
なかなか子宮口は全開大にならず、来院してからかなりの時間が経過しようとしていた。
「分娩が長引くと、破水しているので感染のリスクが増します。陣痛誘発剤を使いますね」
山中医師の言葉で、陣痛誘発剤が開始された。
すると3分おきだった陣痛が1分おきになって段々短くなっていく。
そうしているうちに子宮口は全開大になった。
「れ、蓮くん・・・」
「城之内さん、まだですよ。まだいきまないで」
「美咲、ヒッヒッフーだ。ヒッヒッフー」
美咲は、体力の限界を感じていたが、無事にべべが生まれるまでは気を抜けない。
美咲の肩を擦りながら、不安そうな蓮がモニターや助産師、山中医師を見る。
べべの推定体重は2200g。
37週に満たない、低出生体重児ということで、NICUの新生児科の医師もずっと待機してくれている。
「さあ、今よ。いきんで!」
ようやくいきんでもよいと言われ、ホッとした美咲は力の限り、数回息んだ。
蓮の手にも力がこもる。
オギャー、オギャー、とか細く聞こえてきた泣き声。
「おめでとうございます。2350g の元気な男の子ですよ」
加藤助産師の言葉に、美咲と蓮の目から涙がこぼれた。