寡黙なダーリンの秘めた愛情

おかえり

美咲はその後、産婦人科病棟に5日間入院し、その間はNICUに通いつめて、育己の退院後の生活について看護師から色々と指導してもらった。

美咲は自身の退院後すぐに、蓮と一緒に出生届を出しにいった。

早産の低出生体重児であったため、その届けも必要だった。

育己の退院後、一ヶ月は城之内家に世話になることになっている。

そこでは、産後の゛肥立ちが悪くなる゛とNICUへの面会以外は室内に監禁されている状態だったので、基本的に、美咲はのんびりするか搾乳するかで一日が過ぎていった。

明日は、待ちに待った育己の退院日。

通常、5日間の入院が、早産のため1週間延びて12日間になった。

少しずつだが体重も増えて赤ちゃんらしくなっている。

NICUでじっくり指導されたお陰か、美咲も退院後の生活にゆとりを持って対応できそうだと感じていた。

明日の10時に育己を迎えに行き、

夜は、待望の゛玄孫゛に会えることを楽しみにしている喜久蔵と、その息子で美咲の祖父・橋之介が来ることになっている。

もちろん、美咲も蓮も、我が子の帰宅を今か今かと待っていた。


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