寡黙なダーリンの秘めた愛情
あれから15年。

蓮の大学入学、美鈴の高校・大学入学、美咲の中学・高校・大学入学と、親族のお祝い事の節目に、美咲は蓮と顔を合わせることがあった。

あの日から、蓮は毎年、美咲の誕生日にストロベリータルトを贈ってくれるようになった。

しかし、一方では、年々蓮は口うるさい兄のように美咲に干渉するようになっていく。

『スカートが短いぞ』

『男はみんな下心が満載だ。若い男の頭の中なんてそれしか考えていないと思え』

お陰で美咲はちょっとした男性不振になり、中学校と高校は女子校に通う羽目になった。

一人っ子の美咲は、中学3年生の時、世の中の兄は皆そんなに妹に過干渉なのかと不思議に思い、美鈴に質問したことがあった。

『そうねえ、兄さんは少し過保護だとは思うよ。でもそれは美咲ちゃんが可愛くて仕方ないからだよ。私にすら口うるさいんだから諦めて』

美鈴のその言葉を聞いて、美咲は゛これは妹への愛情表現゛なのだと納得し、受け入れることにした。

あくまでも妹の域を外れない程度なのだと納得をして・・・。
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