寡黙なダーリンの秘めた愛情

伝われ、この思い

「ただいま、美咲」

仕事を終え、愛する妻の元に帰ってきた蓮は、子供ができた喜びに浮かれ、美咲の大好きなストロベリータルトをお土産に帰宅した。

シーンと静まっている自宅に不安を覚えて、リビングのドアを開けると、

怒りに満ちた顔で蓮を睨む、美鈴、ホイットニー、萌、ジムと、うつむいて唇を噛む美咲がテーブルに鎮座していた。

「み、みんなして怖い顔して、何かあったのか?美咲はなんでそんな悲しそうな顔をしてる?場合によっては俺はお前達を許さないぞ」

美咲に駆け寄ろうとする蓮を、ホイットニーが遮る。

「諸悪の根元はあんたよ、蓮。この浮気者!」

バシッと蓮の頭を叩いて美鈴も応戦する。

「兄さん、22年もかけてなにやってんのよ。兄さんの気持ちなんて、美咲ちゃんにこれっぽっちも伝わってなかったのよ。変な女にいいようにされて。この口下手!浮気野郎」

「どういうことだ?美咲?俺は誓って浮気なんてしてない。お前だけだ!」

美鈴の言葉に焦る蓮。

呆れるホイットニーとジム。

リビングには異様な空気が流れていた。
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