寡黙なダーリンの秘めた愛情
「美咲、俺と赤池さんが付き合ってるって思っていたのに俺に抱かれたのか?俺と...結婚したのか?」
優しく美咲の頬を右手で包みながら、蓮が尋ねる。
「どうして、どうして何も聞いてくれなかった?」
「アメリカに来たときの蓮くんは、本当に辛そうで悲しそうだった。由利亜さんの身代わりでもいい。私で癒せるなら、私を求めてくれるならそれでいいと思ったの」
はじめて聞く美咲の本音は、全てを受け入れてくれたと思っていた蓮にはショックな言葉だった。
「結婚だって、本当は戸惑ったわ。愛のない結婚なんて、いつかは限界がくるはずだもの。だけど、蓮くんが社長になることにこだわってるのなら、私との結婚が役に立つんじゃないかと考えを改めたの」
「俺を受け入れてくれた訳じゃなかったんだな」
ぐったりと腕をおろす蓮には覇気がない。
今にも泣きそうな顔をしていた。
「違う!私は高校3年生の夏、蓮くんに由利亜さんという恋人がいるって知ったとき、自分が蓮くんに恋をしているって自覚したの。気付いてすぐに失恋したなんて耐えきれなかった。だから二人から離れようって、目に入らないところに消えようって思ったの」
涙を流しながら見つめてくる美咲を見て、すれ違っていた二人の時間を悔しく思いながらも、蓮は込み上げてくる嬉しさを止められない。
「離れてもダメだった。目の前に蓮くんがいたら止められないの。求められて断るなんて、私にはできないよ!」
ずっと求めていた美咲からの言葉。
友人と妹から聞かされた゛自身の浮気の容疑゛をきっかけに、それを聞くことになるなんて、なんて皮肉な展開なんだろう。
「神に、べべに誓って俺は浮気はしていない。愛しているのはずっと美咲一人だけだ。美咲を抱くのも、プロポーズするのも、どんだけ勇気がいったと思ってるんだよ」
「でも、私、蓮くんから告白されたこと、ないよ」
「はっ?あるだろ」
「ないよ。今、はじめて愛してるって聞いた」
そういえば゛大切にする゛とか゛はじめてが欲しい゛とか゛幸せにする゛とか゛安心させて゛とか゛離さない゛とか...。
考えたら、傲慢な言葉の羅列に感じられる。
好きすぎて、゛愛してる゛が当たり前すぎて、それを言葉にすることがなかったのかもしれない。
なのに、美咲には自分勝手にそれを求めていた。
゛この鈍感、口下手゛
そんな蔑んだ美鈴とホイットニーの言葉が反芻する。
「誤解させて、傷つけてごめん。言葉が足りなくてごめんな。俺は美咲だけを愛してる」
「ううん。私が最初から蓮くんに確認すれば良かったの。でもあの当時の私には無理だった...。だから、私を見捨てずに、ずっと好きでいてくれてありがとう。べべを、私に授けてくれてありがとう。」
遠回りをしながらも、ずっとお互いを思い続けた蓮と美咲。
二人はギュッと抱き合うと、はじめて心が通じあった喜びに浸っていた。
優しく美咲の頬を右手で包みながら、蓮が尋ねる。
「どうして、どうして何も聞いてくれなかった?」
「アメリカに来たときの蓮くんは、本当に辛そうで悲しそうだった。由利亜さんの身代わりでもいい。私で癒せるなら、私を求めてくれるならそれでいいと思ったの」
はじめて聞く美咲の本音は、全てを受け入れてくれたと思っていた蓮にはショックな言葉だった。
「結婚だって、本当は戸惑ったわ。愛のない結婚なんて、いつかは限界がくるはずだもの。だけど、蓮くんが社長になることにこだわってるのなら、私との結婚が役に立つんじゃないかと考えを改めたの」
「俺を受け入れてくれた訳じゃなかったんだな」
ぐったりと腕をおろす蓮には覇気がない。
今にも泣きそうな顔をしていた。
「違う!私は高校3年生の夏、蓮くんに由利亜さんという恋人がいるって知ったとき、自分が蓮くんに恋をしているって自覚したの。気付いてすぐに失恋したなんて耐えきれなかった。だから二人から離れようって、目に入らないところに消えようって思ったの」
涙を流しながら見つめてくる美咲を見て、すれ違っていた二人の時間を悔しく思いながらも、蓮は込み上げてくる嬉しさを止められない。
「離れてもダメだった。目の前に蓮くんがいたら止められないの。求められて断るなんて、私にはできないよ!」
ずっと求めていた美咲からの言葉。
友人と妹から聞かされた゛自身の浮気の容疑゛をきっかけに、それを聞くことになるなんて、なんて皮肉な展開なんだろう。
「神に、べべに誓って俺は浮気はしていない。愛しているのはずっと美咲一人だけだ。美咲を抱くのも、プロポーズするのも、どんだけ勇気がいったと思ってるんだよ」
「でも、私、蓮くんから告白されたこと、ないよ」
「はっ?あるだろ」
「ないよ。今、はじめて愛してるって聞いた」
そういえば゛大切にする゛とか゛はじめてが欲しい゛とか゛幸せにする゛とか゛安心させて゛とか゛離さない゛とか...。
考えたら、傲慢な言葉の羅列に感じられる。
好きすぎて、゛愛してる゛が当たり前すぎて、それを言葉にすることがなかったのかもしれない。
なのに、美咲には自分勝手にそれを求めていた。
゛この鈍感、口下手゛
そんな蔑んだ美鈴とホイットニーの言葉が反芻する。
「誤解させて、傷つけてごめん。言葉が足りなくてごめんな。俺は美咲だけを愛してる」
「ううん。私が最初から蓮くんに確認すれば良かったの。でもあの当時の私には無理だった...。だから、私を見捨てずに、ずっと好きでいてくれてありがとう。べべを、私に授けてくれてありがとう。」
遠回りをしながらも、ずっとお互いを思い続けた蓮と美咲。
二人はギュッと抱き合うと、はじめて心が通じあった喜びに浸っていた。