寡黙なダーリンの秘めた愛情
嵐の前の静けさ
翌日、美咲はいつものように研究室に出勤したが、いつもと違うのは研究室までベッタリと蓮が張り付いて来たことだ。
いつもなら、会社の玄関で別れて、それぞれの部署に向かうエレベーターに乗るのだが、赤池由利亜の悪行を知った蓮が警戒を強めたからだ。
「大丈夫だよ。私が妊娠したからって赤池さんが更に嫌がらせをするとは限らないでしょ」
「ダメだ。現に俺は彼女の外面に騙されていたことにも気づかずに、知らないところで美咲から愛想を尽かされ失いそうになったんだ。それに可愛い美咲の顔を平手打ちするなんて、絶対に許せないし信用できない」
蓮は今日にでも由利亜を問い詰めると言ったが、高校3年生のときのことも、休憩コーナーでのことも証明はできないのだから、罰することはできないと、美咲は蓮を止めた。
萌や美鈴が聞いている『蓮の元カノ』だと由利亜がふれ回っているという話も、直接二人が由利亜から聞かされた話ではないので、噂の域を越えない。
「大丈夫。仕事中はホイットニーもいるし、お昼は萌ちゃんや美鈴ちゃんにも協力してもらうから」
研究室にたどり着いたとき、美咲は満面の笑顔で蓮に言った。
わだかまりや誤解が溶けてからの美咲は、ずっと笑っている。
この笑顔を誰にも奪わせはしない。
蓮は心に誓うと
「美咲、決して一人にはなるなよ」
と、美咲の額にキスをして、手を振りながら自部署に向かって行った。
いつもなら、会社の玄関で別れて、それぞれの部署に向かうエレベーターに乗るのだが、赤池由利亜の悪行を知った蓮が警戒を強めたからだ。
「大丈夫だよ。私が妊娠したからって赤池さんが更に嫌がらせをするとは限らないでしょ」
「ダメだ。現に俺は彼女の外面に騙されていたことにも気づかずに、知らないところで美咲から愛想を尽かされ失いそうになったんだ。それに可愛い美咲の顔を平手打ちするなんて、絶対に許せないし信用できない」
蓮は今日にでも由利亜を問い詰めると言ったが、高校3年生のときのことも、休憩コーナーでのことも証明はできないのだから、罰することはできないと、美咲は蓮を止めた。
萌や美鈴が聞いている『蓮の元カノ』だと由利亜がふれ回っているという話も、直接二人が由利亜から聞かされた話ではないので、噂の域を越えない。
「大丈夫。仕事中はホイットニーもいるし、お昼は萌ちゃんや美鈴ちゃんにも協力してもらうから」
研究室にたどり着いたとき、美咲は満面の笑顔で蓮に言った。
わだかまりや誤解が溶けてからの美咲は、ずっと笑っている。
この笑顔を誰にも奪わせはしない。
蓮は心に誓うと
「美咲、決して一人にはなるなよ」
と、美咲の額にキスをして、手を振りながら自部署に向かって行った。