寡黙なダーリンの秘めた愛情
美咲は政義をそこに案内すると、主任秘書が持ってきたお茶とお茶菓子を政義に進めた。

「お腹、大きくなったね。何ヵ月だい?」

微笑む政義は昔から美咲には優しい叔父さんだった。

「7ヶ月です」

「そうか...」

政義は、フッと笑って美咲から目を離すとお茶をすすった。

「お話とは...?」

数十秒の沈黙の後、政義が思いきったように

「蓮くんのことだよ」

と、言って美咲を見つめた。

「君は、蓮くんがどういう奴か、どんな悪どいことをやってきたか知らないだろうね」

政義の瞳は怒りに溢れ、不正を許さないとばかりに爛々と輝いていた。
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