寡黙なダーリンの秘めた愛情
蔑むような言葉と表情に、思わず美咲はお腹を触った。

「子供を盾に蓮さんが逃げられなくなるようにするなんて本当に卑怯よね。まあ、由利亜さんも同じ立場になったのだから今後はどうなるかわからないけど」

゛由利亜の妊娠をこの人も知っているのか?゛

情緒不安定な美咲は最早、正常な判断はできない。

「まあ、いいわ。自ずと結論は出るだろうから。それより、これ、あなたの部署宛の荷物なの。悪いけど持って帰ってくれるかしら」

ベンチから立ち上がった美咲に、近づいてきた歩花が30センチ四方の段ボールを押し付けてきた。

「妊婦は病気じゃないんでしょ?甘やかされてないで少しは会社の役に立ったら?」

そう言って歩花は、美咲に段ボールを押し付けて去っていった。
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