寡黙なダーリンの秘めた愛情
「ごきげんよう。お兄様、お父様」
八雲メディカルの展示ブースでセッティングを済ませてくつろいでいた誠也と蓮のところに現れたのは、横浜で研修中のはずの美鈴だった。
「美鈴、どうした?お前は横浜で研修に参加しているはずではなかったか?」
驚く二人に、厳しい顔を崩さない美鈴。
いつもふざけたように城之内家の男性陣をからかう美鈴にしては珍しい表情だ。
「お知らせしたいことが2つあって来ました。どちらもいい話ではありません」
赤池由利亜と社内の不穏因子の件で、蓮は美鈴に協力を仰いでいたため、蓮にはその事だろうと推測ができたが、誠也には何の事だかさっぱりだ。
「兄さん、落ち着いて聞いてね。美咲ちゃんが切迫早産でH病院に入院しました」
ガタン!っと音をたててパイプ椅子が倒れる音が響く。
「・・・!」
蒼白のまま立ち竦む蓮に、美咲は冷静にパイプ椅子を元に戻しながら
「大丈夫。今は点滴をして、美咲ちゃんもべべちゃんも落ち着いてる。2、3日安静にして張りがおさまるのを待つみたい」
と言って、再度、椅子に座るように促した。
「でも、さっき、゛美咲から仕事が立て込んでて忙しくて連絡できなかった゛とメッセージが来たぞ。ジムかホイットニーがなりすましたのか?」
両手を握りしめて震わせている蓮の表情は固い。
八雲メディカルの展示ブースでセッティングを済ませてくつろいでいた誠也と蓮のところに現れたのは、横浜で研修中のはずの美鈴だった。
「美鈴、どうした?お前は横浜で研修に参加しているはずではなかったか?」
驚く二人に、厳しい顔を崩さない美鈴。
いつもふざけたように城之内家の男性陣をからかう美鈴にしては珍しい表情だ。
「お知らせしたいことが2つあって来ました。どちらもいい話ではありません」
赤池由利亜と社内の不穏因子の件で、蓮は美鈴に協力を仰いでいたため、蓮にはその事だろうと推測ができたが、誠也には何の事だかさっぱりだ。
「兄さん、落ち着いて聞いてね。美咲ちゃんが切迫早産でH病院に入院しました」
ガタン!っと音をたててパイプ椅子が倒れる音が響く。
「・・・!」
蒼白のまま立ち竦む蓮に、美咲は冷静にパイプ椅子を元に戻しながら
「大丈夫。今は点滴をして、美咲ちゃんもべべちゃんも落ち着いてる。2、3日安静にして張りがおさまるのを待つみたい」
と言って、再度、椅子に座るように促した。
「でも、さっき、゛美咲から仕事が立て込んでて忙しくて連絡できなかった゛とメッセージが来たぞ。ジムかホイットニーがなりすましたのか?」
両手を握りしめて震わせている蓮の表情は固い。