寡黙なダーリンの秘めた愛情
「会社に役に立つ仕事をしろって、どの口が言うんだ。美咲ちゃんほど会社に役に立ってる社員はいないのに・・・。それより蓮、お前は赤池さんとも子供を作っていたのか？場合によっては、俺はお前を許さないぞ？」

普段は怒りを表すことのない誠也も、今回ばかりは心の底から怒っているようだ。

「そんなわけないだろう！俺は赤池由利亜の悪事を知ってから決して二人きりにはならないように注意してきたし、ましてや誤解を招くような場所に近づいたりもしていない」

蓮の言葉に、ようやく誠也も納得する。

「そうなの。兄さんが身に覚えのない出来事をなぜ目撃している人がいるのか、写真に残せているのか？それが一番の疑問だった」

美鈴は、バッグから取り出した写真を誠也と蓮に見せた。

それは由利亜とキスしたり、抱き合ったりする蓮の写真。

「蓮、これでは言い逃れができないぞ」

再び怒りで、蓮に殴りかからんばかりの誠也に

「違うの、この写真の人は兄さんじゃない。兄さんを真似している赤池さんご贔屓のホストなの」

と、美鈴が止めに入った。
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