寡黙なダーリンの秘めた愛情
「赤池由利亜とレンジっていうホストに会ったよ。美鈴のいう通り、上手く俺に化けていた」

部屋に着いた蓮は、ソファーにどさりと腰を沈めると、天井を仰いで右腕で目を覆った。

「今までのこと、認めたの？」

「レンジって奴が案外まともで、ビジネスと割りきってたみたいだ。それでも５年付き合ってたんだから、それなりの愛情があるのかと思ってたけど、案外淡白なんだな。あの手の職業の人って」

淡々と語る蓮に、美鈴は意外といった表情で

「その様子だと、殴ったり怒鳴ったりせずに、冷静に対応できたみたいね」

と言った。

「美咲がお利口さんに仕事をしろと言ったからな」

「やはり、ここでも美咲ちゃんが蓮の理性なんだな」

と誠也も笑った。

「何の情報かはわからないが、赤池由利亜は義一に情報を渡してお金を貰っていたと認めた。それには松本歩花も絡んでいるのは間違いない。しかも今回の美咲への攻撃は、赤池由利亜の指示じゃない」

蓮の言葉に

「じゃあ、そっちは純粋に城之内狙いなのね」

と美鈴も天井を仰いだ。
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