【短編】柚季くんのギャップについていけない。


そんな私にびっくりした顔を見せる柚季くん。


「なにひてるんでふか、へんはい」


ほっぺたをつねった状態で喋ってるから、柚季くんが何を言いっているのか分からない。

でもそれがまた、かわいい。


「ほっぺためちゃくちゃ伸びそうだなーと思って」

「はなひてくだはい」

「なに?なんて言ってるか全然分かんないよー?」


そう言った瞬間だった。

柚季くんが私の腕を力強く握るもんだから、ぷにぷにのほっぺたから私の手が離れてしまった。


「先輩、いい加減にして下さい」


あ、やばい、柚季くん怒っちゃった?

ふざけ過ぎちゃったかな。


「ごめんね、つい」

「ついじゃないですよ?さっきから何なの?」


え?

あの真面目な柚季くんがついにタメ口…?

やっぱり怒ってる…?

それに、さっきから握られている腕が少し痛い。


「ちょっと腕離して」

「ダメ」

「もうほっぺた触らないから」

「そういう問題じゃないんですよ」

「え、」


じゃあ、どーゆう問題…?


「ずっと俺のこと見ておいて、あげく先輩から俺に触れるなんて」


ん?

触っちゃダメだった?

頭にはてなが浮かんでいる私を見て、柚季くんは眉間にしわを寄せた。


「先輩、俺が後輩だからって油断してません?」

「え?」


柚季くんはそう言ったかと思うと、私の腕を握ったまま、椅子をぐっと私に近づけた。

すぐ近くに柚季くんの顔。

っ…!


< 2 / 4 >

この作品をシェア

pagetop