溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
俯く私に亮さんは嬉しそうにしている。
見透かされているみたいで。

はぐらかすようにお料理の様子を見る。
鍋の具材が煮えたのでお好みを聞いて、ミルクを入れてシチューにすることに。
牛乳に塩胡椒を加え仕上げる。

煮込んでいる間、とっておきの場所があると連れていってくれた。
別荘の小道の数メートル先、暗闇を懐中電灯をもち、手を繋いで木々を抜けると
一面に町の景色が見えた。

「わー〜キレイ。」

「でしょう。お気に入りの場所。玲奈に見せたかったんだよね。」

「すごい。プライベート空間にこの景色、いいとこだね」

「気に入ってくれて良かった。また一緒に来よう。来たいときにいつでも。」


私の不安を見透かされたからか、こんな風に安心させて言ってくれる。

ウンウンと頷いた私の顎を彼は自分の方へ向けて、甘いキスをした。
何度も何度もキスをしてだんだん深くなっていくキスに溶けてしまいそうで
立ってられなくなるくらいで、彼の服の袖をぎゅっと掴んでこのままずっと
続けばいいのにと思った。
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