溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
少女が泣いてばかりで動揺している様を見て優しく声を掛けていく。

英語からドイツ語?言葉が変わった。
フランス語?
次から次へと声を掛けていき、娘が受け答えを始めた。

精々、5歳くらいの子供から聞き出したのは

患者が妊婦の可能性ということ。

患者のお腹は出ておらず、外国人女性でわりと身長も高いようだ。
自分からみても妊婦には見えなかったが、妊娠初期ならありえる。


そうこうするうちに、救急車が来て乗り込みメガネの彼女に同乗を依頼し、
最も近くだろう、自分の職場の病院へ移送を救急隊員へ要請した。

受け入れ先が見つかり難い、都会の街で二人同時に近くの病院へ
運べたのはほんと幸運だ。


ERへそれぞれ入り、男性患者は待機していた医師が、
外国人女性は俺がオペをすることになった。

オペの準備をしていると、隊員からの連絡で、
彼女がご主人にコンタクトをとり、患者が妊娠5ヶ月で、母体優先で
オペに同意する旨の口頭の許諾を取りなしていた。
その対応にも驚いた。


その後、数時間に及ぶオペは無事に終わり、ひとまず母子共に助かり現在も入院中。
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