溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
心が繋がる時(玲奈side)
恋愛に興味がないわけでなかった。
周りの同級生たちがキラキラとおしゃれをして、デートへ行く姿を
何度も見送っていた。
私も普通の女の子がするオシャレは大好きだ。友達とワクワクしながらショッピング
したり、流行のものをさがしたり。
男の子だって別に苦手ではない。グループで遊びにだって出かけていた。
それが、途端に一対一の恋人関係を求められると躊躇う。
友人達は若いんだから、とりあえず付き合ってみたらいいのよとか言っていたけど。


兄達のせいかもしれない。
7つ上と4つ上に兄がいる。
今だから思うが結構厄介だ。
二人とも要領が良く、今も末っ子の私を良くも悪くも気にかけてくれる。
彼らは学校外でも人気があった。
いわゆるイケメンで、デートの相手がいつも変わっていた。
人たらしだ。外国で黒髪の王子様に見えるらしい。
そんな彼らだが、末っ子の私には過保護だった。
私のグループデートには必ずどちらかがお迎えに来てくれていたし、
私の男子友人とすぐに仲良くなっていたので、女の子を紹介していた。
私がいいなと思っていた当時の男子に年上の高校生を紹介したり。
失恋すらすることなく、恋愛とはご縁が無い生活だった。

アメリカへ引越したころには兄達は家を出てそれぞれの道だったので
過保護なことは実質出来なかったけど、兄達の女性への振る舞いと、
当時の男子達のガッツク姿を冷めた目で見ていたのかもしれない。
大学が飛び級になると年齢も離れ、数少ない友人の中では妹的なポジション
で恋愛とは無縁な生活だった。


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