溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
一瞬、辺りが賑わった。
すると、男性にエスコートされたキレイに着飾ったカクテルドレスの玲奈が入ってきた。
男の腕に手を掛けて、周りの人に挨拶している。

目の前の状況にジリジリとドス黒い感情が芽生える。
二人は取り囲まれるようになり、近づける状態ではない。
頭で冷静になるように考え、しばらく様子を伺う。
エスコートしていた男性の存在が気になる、本当は彼女を連れ去りたい気持ちになるも
互いに仕事だと思うと躊躇われた。

気づかないフリして田中や他によく知らない女医なんかと話しを続けるが
話しが全く入ってこない。クッソ。

チラリとみると、男が玲奈の髪飾りを直していた。さわるな!ドス黒感情がピークになりそう
な時、フッと玲奈と目があった。
フワリ、っとオレを見つけて微笑んだ。
黒いものが中和されていく。

今しかないと、彼女の方へ向かった。

「こんにちは。玲奈も久しぶりだね。」
冷静に呼び捨てにして相手の男に牽制する。メガネが似合う長身のイケメンだ。

「亮さん。来てたんですね。同じ会でびっくりしました。
紹介しますね。こちら私の二番目の兄で三上 響也(きょうや)です。」

戦闘態勢だったのに、兄と言われ、頭がパニくってる。
んんん。兄貴かよ。よかった〜。

「三上 響也です。はじめて兄名乗ります。マックスって言えばわかるか、リョウ!」
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