溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる

あのパーティーの夜、玲奈は兄弟と実家へ帰っていった。

とくに、彼女から報告はない。

オペをするために兄達が帰国したことは明らかで、彼女も忙しくなるかもしれない。

オレは自分の仕事をきちんとやって行こうと思う。


必要なときに彼女の助けとなれるように。

オペの前にお母さんのお見舞いに行きたいと思うが彼女は受け入れてくれるだろうか。

お父さんである、教授にもお会いしたい。


病棟の廊下で兄貴とすれ違った。

「亮、この前のパーティーでの話聞いたぞ。
おれも、親父も人伝いに聞いて、お前から報告無しか？」

「そのうち紹介するつもりだったんだよ。必要以上に目立っただけ。」

「あの三上教授のお嬢さんだとか？ 確か、親父の大学の先輩。専門違いとはいえ、
面識くらいはあるだろうからちゃんと説明しておけよ。
この前、救命で臨時で入った医師が三上さんだったが、彼女か？」

「そうだよ。そのうち親父にも紹介するよ」