溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
午後から、クルマで久我総合病院へ向かう。パーキングにクルマを止めて、
面会受付を通してマリアさんの病室へ。

《スウェーデン語》
「ハイ、マリア。元気になってよかった」

「あなた達のおかげよ、あなたのダーリンも良くしてくれてる。家族みんなで本当に
助けてもらって。おかげでベビーも元気よ。
退院したら二人にお礼させてね。」

「あなたが頑張ったからよ。私達は医師だから、当然のことをしただけ。」
そう、返したら、

「どうしたの、元気ないのね。心配事?」

「色々とね。気持ちのバランスが乱れてるのかも。」

「仕事も恋愛も同じように常にバランスが取れることはないわ」

「そう思う。慣れないことで戸惑ってるだけ。」

「彼との事? 主人が面会時に、彼が若い女性といるのを院内で見かけたって言ってた。
心配ごとはそれ? 恋人同士には見えなかったって言ってたから大丈夫よ。
彼、いつもあなたの話ばかりだし、ちゃんとあなたのことが好きよ。」

「分かってる。信じてるし。でも、お互いの立場とか考えるとぐちゃぐちゃで。」

「たくさん悩んで、恋愛するのは恋愛の醍醐味よ。だけど、一人で勝手に考え込まないで。
彼を巻き込まなきゃ。当人を外野に置いちゃだめよ。」

彼女のアドバイスは最もで、寄り添ってくれて嬉しかった。
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