溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる

当人を巻き込むか…。
自己解決型の私には難しいかも。


面会を終えエントランスへ。
前方に亮さんを見かけた。
隣には安西さん。
幸せそうに笑っている安西さんの姿にチクリと胸が痛む。

思わず、隠れて売店へ逃げ込んだ。



どうすればいいのだろう。
たった一年の日本滞在で恋愛するつもりなんてなかった。
まだまだ、医師としての力をつけたいし、向こうにも患者さんはいる。

今回、帰国にあたり、患者の子供達を離れ帰国するのは正直心苦しかった。
子供は医師に慣れるまで時間がかかる。信頼関係を築くのは難しい。

亮さんのため、自分のためにどう振る舞うのが正解か、答えの出ないことが
グルグルと頭を巡った。

一人で考えようと家路についた。