溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
「どうした? へー、場所変えてじっくり話そうか。お兄様と。」

日本語でそういうと、ギロッと鋭い目で言われた。

応接室へゲストとして通すとお茶が運ばれてくるまで、院内のことなど、
たわいもないことを話す。
そんなことで来たんじゃないことは明白だ。
こいつがわざわざ病院を見に来るわけがない。
ということは、兄としてきたってことだ。
妹を可愛がっているのは昔よく聞いていた。それが玲奈だとは知らなかったが。


しかし、玲奈とケンカもしてないし、会えてないとはいえメールのやりとりもしている。
嫌な予感しかしない。

「リョウ、単刀直入に言う。お前に玲奈の相手は無理だ。
お前なら他にいくらでも女出来るだろう。別れろ。」

「いきなりきて、なんだよそれ。オレは真剣に大事に付き合ってる。今だって特に問題も
ないし。」

「問題ない?だったら、なんで玲奈は元気ないんだ。パーティーの日、部屋で泣いてた。
家族には気がつかれないようにしてたけど、食欲もないし。仕事以外がうわの空。
来週は母のオペだ。ミスは許されない。
このためだけに医師になったようなものだ、あいつは。ベストな状態でないと。」

マックスの言葉に驚いた。

「泣いてる。。。そんな、何も俺たちは問題ない。上手くやってるはずだ…。」

マックスが言ってることの意味が分からなくて。呆然となる。
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