溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
「あの子は昔から自分のことは二の次なんだよ。母親が体が弱いこともあって、無理させないように小さな頃から我慢するんだ。だから、俺とセイヤはいつもあいつを甘やかしてきた。
それでも、なんでも譲るんだよ。
キャンディーがあっても、オレとセイヤにどうぞってする子なんだよ。
だから、二人で変な虫が付かないように、きれいな心が曇らないようにそうやって守ってきた。」


「知ってるつもりだよ。可愛いとかキレイだってだけで好きになったんじゃない。」

「パーティーでお前と一緒のあの子を見て、幸せそうだったから、昔から知ってるお前なら任せてみるかと思っていたら、あの日帰宅してからおかしいんだよ。
痴話ケンカかと思ってたが、心ここにあらずだ。思い当たることないのかよ?」

「思い当たること。。。」

別荘に行って、オレの家でもラブラブで、パーティーでも嬉しそうだった。

その後、会って顔見てない。メールはご飯ちゃんと食べて、とか、しっかり睡眠とか
思いやりの言葉が並ぶ。


パーティー後の別れ際、兄達がいたのでスキンシップを避けていると思っていたが、
違ったのか。
最近のオレといえば、安西のお嬢さんがしつこいくらいで。
彼女もパーティーへ来ていたと言っていたような…。
もしかして、あのお嬢さん何かした?

「気づかないんだったら、いつまでも泣かせるなら、徹底的にお前を排除するからな。
期限は今日だ!」

マックスの言葉の意味よりも、すぐにでも会って彼女の不安に向き合いたいと部屋を飛び出した。
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