溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
ずっと、横抱きで抱き込んで少しずつ歩み寄る。

優しく髪を撫でて、閉ざした心を開いてもらおうと
彼女の言葉を待った。


「ごめんなさい。一年だからって…亮さんの近くに行ってごめんなさい。
これっきりで 大丈夫だから…。彼女の側にいて…。」

やっと待った言葉に意味が分からなくて。

「ちょ、ちょっと待て!何言ってるんだ?彼女の側って。彼女は玲奈だろ?
意味がわからない。ちゃんと教えて。」

「婚約者の彼女。亮さんの近くで笑ってた、あの子。。」

「誰だよ、それ…。。」

それから、ゆっくりゆっくり言葉を待ってパーティーの日に何があったのかを知った。

やはりあの安西のお嬢さんが原因だった。
あの女が言った事は作り話ばかりだった。
婚約者で、公認で、浮気は容認済みで。
玲奈がオレに不信感を持つように、悪い男のように仕向けて。
決して玲奈を責めず、玲奈に罪悪感を持たせるように。
性格悪いにもほどがある。

怒りがこみ上げていた。けどこの怒りを玲奈に向け、怖がらせるのは違う。
勘違いを正す事が先だ。

ひとつずつ、あの女が言った言葉を否定していき誤解を解いた。
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