溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
君の隣(玲奈side)
色んな事が順調だ。

とても幸せな日々を送っている。

実家も父が母のお世話をべったりやってくれるし、
お手伝いさんもいるから最近は自宅マンションへ戻っている。

父は名医だし、いざというときも対応できる。

トントンも母の側でセラピー犬だ。

マックスと帰国前に亮さんを自宅へ連れて行った。
父母共にわたし達の仲を喜んで応援してくれている。


私もやっと日本の生活を楽しむことが出来ている。
大学病院は母の通院時以外は行かないのであとわずかだろう。

スウェーデンでやっていた論文を仕上げて、母の代理として華道の仕事が主。
日本の小児科の現状を知るために個人病院でバイト的なことをしてみようか。
健康診断でもいいかも。

あと数ヶ月どう生活していこうか。
現実を考えると今の恋愛を続けていけるのだろうか。
私の自分勝手な事情で離れて続けていくなんてそんなこと…。
答えの見えない事情と、幸せ過ぎる現状の狭間で揺れる。
でも、揺るぎない思いをぶつけてくれる彼に揺れる姿は見せられない。
たくさん甘えさせてくれる彼に不安にしていては失礼だ。
どうするのが正解かウロウロと彷徨い、見えない出口を探した。
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