溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
最近は週2、3日だけ個人病院の小児科で働いているそうだ。
日本の小児医療の現状を知るには、地域の病院で働いてみたいということ。
入院患者は受け入れていないので、残業はないので働きやすいようだ。

生き生き過ごす彼女を見て、もちろんオレも仕事を頑張るのだが。
正直、うちの病院で働けば、毎日オレはやる気満々だろうと思う。


今日は食堂で兄貴と、40代ベテラン産科の医長と一緒に、上階の食堂で一緒になり
昼食をとっていた。

「亮くん、最近は彼女が出来て上々らしいじゃないか。産科のお見舞い女性で話題の子だって?
若手が騒いでたよ。」

「噂になってるんですか? まあ、その通りですけど。」

「もう、デレの亮を見れるようになるなんてな。うちの病院で働いてもらえば、安心だろうに。
あの子は我が家の女性陣が絶賛する人気者だからな。隙あらば狙いに行く奴が多いだろうし。」

「それ言うなよ。煽るな。まあ、玲奈は良くも悪くも天然だけど、信用してるから。」

「心配なくせに。早く結婚に持ち込めばいいのに。親父も安西のお嬢さんの行いには呆れて、
キッパリ縁談は切ってたぞ。お前も見合い話がでるより身固めが手っ取り早いだろう。」

「ほう、久我家一同公認の彼女ならとうとう亮くんも落ち着くのかな。」

「まだ慎重にもなるんですよ。付き合って数ヶ月だし。」

「タイミングは大事だからな。でも、勢いも必要だよ、結婚は。」


そんな話題に真剣に耳を傾けている自分は、変われば変わるもんだ、と自笑する。



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