溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
「先生かわいいですよね。見た目とのギャップで初々しいのがまたいい。」

「もう。そんなからかうならお土産なしだよ。」

「えー、やだ、ウソウソ。エステとネイルいいとこ紹介しますから。
ラブラブいっぱいしてきて下さい。温泉シチュなんてきっと彼氏さんメロメロですね。
私が先生の彼氏さんだったらずっとイチャイチャですよ。」

恵ちゃんは学生時代から経験豊富で恋多き女の子。明るくて素直で面白い。
今の医院で働くようになって、院内のことを色々と教えてもらっている。
今日は温泉アドバイスを色々もらった。


仕事帰りに、エステと普段しないネイルに行ってかわいいお洋服と大人っぽい下着も
買った。ほんとは明日がよかったけど、仕事もあるし。
おしゃれは好きだけど、誰かを思っては初めてだな。

ファッション街を散策して、帰りに一人ご飯して帰ろうと歩いていたら、前方から大学病院の
時の同僚医師が声をかけてきた。そう、何度も食事に誘ってくる人だ。
偶然?人当たりも良い方だけど、少し強引。案の定、今日も食事にと誘ってくるが予定がと
丁寧に断るのにしつこい。すると、手首を掴まれ、引っ張ていこうとする。
「やめて下さい!」思わず強く言った。

「元同僚と食事くらいいいじゃないか。」と引き下がらない。

そこへ「レイ!お待たせ」と声をかけられて。

スーツ姿の清史郎だった。目で合わせてといっている。

「清史郎!すみません。彼と予定があるので。」

清史郎が会釈をしてスマートに私を連れ出した。
< 170 / 280 >

この作品をシェア

pagetop