溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
「好きなんだね、彼女のこと。上手くいくといいね。」

「お前もな。勉強ばっかりしてないで、若いうちは楽しめよ。
あと、ストーカーは彼氏にも言っとけ。」

私も清史郎もそれぞれ相手がいて幸せな生活を送っているのだな。
小さな頃、親たちは冗談で年頃になって結婚相手がいなかったら、
私達二人を結婚とか言ってたけど。

清史郎は口は悪いけど、とても優しい。
休みの時に会うくらいの親戚だったけど、兄達の弟、私のもう一人の兄という感じ。
日本語が下手な私に良く国語を教えてくれてた。
幸せになって欲しいな。

「うん、今日ご飯食べてるのも報告しとく。清史郎も彼女に誤解されないようにね。」

「ああ、すでにメール済み。簡単なことで人はすれ違って信頼を失いやすい。
大事な人なら手は抜くな。まあエステにネイルするくらいの気合いはありそうだな。」

「ふふ、今度、四人で食事してみたいね。清史郎も温泉とか彼女と行くの?」

「まあ、オレ結構有名人だから、お忍びが多いかな。遠慮なくイチャイチャ出来る所」

そういえば、彼は雑誌や時々テレビにも出ているらしい。

「何それ。いやらしい。彼女は清史郎の本性知ってるの?」

「イケメンで優しくて、紳士で、エッチが上手いとか?」

「うわぁ、自分で言う?彼女が心配だわ。」

「じゃ、レイは?彼を満足させてんのか?あんなことやこんなこと、彼女の務め。」

突然の話に赤面だ。
兄達といつも女の子の話してたけど、私にこんな風な話をするなんて初めてで、
しかもこんなおしゃれなレストランでする話ではない。

からかわれてると、ムキになって拗ねてた。
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