溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
ありがとう。という彼女。
そっと、優しく抱きしめた。

ほんと大丈夫なのか。こんなに魅力的なんだ、付きまとわれることも今まであったようだ。
せっかくの温泉を説教じみたこと言っていたくなくて、それ以上は言わなかった。


夕食まで大浴場へ行くことに。
「すっごく広くて、景色も最高だったよ。気持ちよかった〜」

「男性用も景色よかった。サウナに入りながら景色も眺められて。」

お風呂の外で待ち合わせて、館内の庭を散策した。
浴衣姿の彼女にドキッとした。
まとめた髪に、少し赤らんだ頬。手を繋いで、当てもなく歩く。

庭の鯉を見て喜んで見ている。昨日、行くのを躊躇ったのはどうしてか、よくわからない。

館内の図書スペースがあって、休憩できるのでそこへ行ってみる。
本の山を気に入ったのか、紅茶をもらい読書タイム。お風呂上がりにのんびりいい時間なんだ
が、俺的には部屋へ戻って夕食までイチャイチャしたいのにとは言えず。

結局、夕食タイム。
お部屋と囲炉裏を囲んでのどちらか選べ、囲炉裏で食事がしたいと、食堂へこのままやってきた。

何組か似たような客がいるが、プライベート空間は守られてるので落ち着いて食事ができる。

純和風の空間にうれしそうに微笑む彼女を見てると満足だ。
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