溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
どれくらいボーっとしてたんだろう。
でも、そんなに長くはない。

ガッチャ、扉が開いた。彼が戻ってきた。

気配に、とにかく謝らないと。でも、振り向くのが怖かった。

ふわりと後ろから抱きしめられた。彼の匂いだ。

「バカ。こんなところで。体冷えるだろう!」

声がツンとしてて叱られる。

「ごめんなさい。怒らせて…。」

「怒ってるよ。ごめんってなんだよ…。セックスはお互いの同意のもとだろう。
なんであやまる?
前にも言ったよな、不安なことちゃんと話してって。
行く前からこの事心配してたのか?
抱けないからってオレが怒ると思ってたのか?」

「違う。そんなんじゃ。ただ、こんなところまで誘っておいて、期待させてるみたいで…。
なのに、中止にしようって上手く伝えられなくて。でも、一緒にも来たくって…。」

「オレもそうだよ。玲奈と一緒に来たかった。一緒に過ごしたかっただけだ。
玲奈が側にいてくれるならいいんだよ。いい加減分かれよ。君にゾッコンなんだから。」

怒っていたのに急に照れ出して。

「ごめんなさい。」
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