溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
ある日、オペが終わってメールが。
“土曜日会えるかな?“

金曜もオペ予定で、アフターを考慮すると近場デートなら出来るかと
午前中フォローして、また夜に病院に戻れば。
そんな、日程を思い描く。最近はゆっくり会えないな。
”土曜、午後からならOK“

そんな約束を楽しみに仕事を頑張った。


産科に入院していたマリアさんもすでに退院して、時々通院している。
見た目もすっかり立派な妊婦になった。
偶然、お会いして元気そうな姿に、彼女の事故でオレたちは出会ったのだとしみじみ。

スウェーデン人の彼女は日本語は苦手だけど、英語はネイティブだ。
文法が近いのかスウェーデン人のほとんどは英語を流暢に話すらしい。
大使館員のエリート妻なら当然だ。

「先生。ごきげんよう。すっかり元気になって、赤ちゃんも今にも生まれそうよ。」

「お元気そうで何よりです。しっかり栄養つけて頑張って下さい。」

入院生活で動くのがすっかり億劫になったと以前いっていた。

「ありがとう。先生も働きすぎでレイナと会えてる?この前、彼女とランチしたら
お互い忙しいっていってたわよ。
彼女の近況では、最近スウェーデンの職場から熱烈コールがあるみたいよ。
どうも、同僚が日本へ口説きに直接来たとか。
学会の時の写真見せてもらったけど、スウェーデン人でもなかなかのイケメンだった。」
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