溺愛男は恋愛初心女の恋を惑わせる
「まあ、オレのためなんだよ、結局は。気付かないオレのせい。
メールも電話も全部オレのせい。
存在消して、付き合ってたことすらスルーしたいのかもなぁ。」

「で、お前はレイ情報の持ち主に探りは入れないのか?
あきらめて終わりか?」

「あきらめてなんかいないよ。時期を待ってるつもりだ。彼女の仕事が終われば日本へ戻るはず。
ご両親には出張、勤務先には長期休暇、必ず帰国する。
オレにスウェーデンへ戻ったと言ったのはウソだ。
日本に戻ったら、必ず捕獲する。

そして、一気に囲い込むからな!覚悟しろよ、お兄ちゃん。」

「あはは。捕獲って、上手く捕まえられるといいな。
オレも妹の泣き言は聞き飽きた。

ハンター君へ、いい情報教えてやろう。
愛しのレイナちゃんは来月、南米の学会参加後、クリスマスイブに日本へ帰国予定だ。

あと一カ月、情熱のラテン男に捕獲されず、ご帰還するといいな!
もう、すでに捕獲されてたりして。
あんなこと、こんなこと教わってたりな。レイは勉強熱心だから。」

「やめろ〜。
切るぞ。オレは今からメール攻撃&電話攻撃だ。
打っても響かないことをやり続ける、まさに修行だ。
なりふり構ってられないんだよ。
いいよな、兄貴は。いつでもどこでもおしゃべり出来て。」
< 212 / 280 >

この作品をシェア

pagetop